COLUMN
2023/8/5
その他
お釈迦さまの悟りに至るまで
お釈迦さまは、紀元前5~6世紀ごろ、ルンビニー(現在のインドとネパールの国境付近)という小国の王族として生まれました。王族として何不自由のない人生を送っていたお釈迦さまでしたが、成長するにつれ、人間の逃れられない老い、病気、死の苦しみを知るようになります。そして29歳になったお釈迦さまは、これらの苦しみからの解放を求め、出家することを決意しました。
しかし出家してからの6年、苦行を続けるも何の教えにたどり着けなかったお釈迦さまは、苦行を放棄し川で身を清めます。そこで村娘と出会い天啓を得ます。
決意を新たにした釈迦は菩提樹の下で瞑想を行います。悪魔や鬼の脅しや誘惑を受けるも、強い決意を抱いたお釈迦さまは惑わされることなく、ついに悟りの境地に至り、ブッダ(悟りを開いた人)となりました。
口腔ケアの重要性を広めたのはお釈迦さまだった⁉
仏教の開祖であるお釈迦さまには多くの弟子がいました。
お釈迦さまが弟子たちに説いた言葉をまとめた仏典は「律蔵(りつぞう)」と言います。
律蔵には、歯木(歯ブラシのような道具)についての教えがいくつもあります。
「弟子たちの口が臭かったので,歯木を使うことの5つのご利益を説いた」との文から始まり、歯木を使えば、口臭がなくなる、食べ物の味がよくなる、口の中の熱をとる、痰をとる、眼がよくなる、と良い点をあげ、弟子たちに口腔ケアの重要性を伝えたのでした。
歯木は長すぎても短すぎてもいけません。歯木の長さはお釈迦さまによって決められていました。ある弟子が長い歯木で年下の弟子を殴打しているのを見たお釈迦さまは、歯木の長さは指8本分までと決めました。また、ある弟子が短い歯木を誤って飲み込んで喉を突いたことから、短くても指4本分以上の長さにするように指示しました。歯木を使うのは早朝で、最初に手をきれいに洗い、使い終わった歯木は洗ってから捨てることも指導しました。
お釈迦さまは体臭や口臭は心身の穢れだと考えていました。とくに口臭は、仏教において忌み嫌われており、口腔を清潔に保つことは信徒のお務めとして古来から、厳守されていました。
お釈迦さまは仏教だけでなく、世界に口腔ケアの教えも広めていたようです。